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対話型オンライン読み聞かせ YOMY!
- イベントレポート
「オバケのくに」に遊びにいけるバスに乗って子どもたちと「死」を考えた──ナナナナ祭2024を終えて
ハーバード式絵本の読み聞かせを提供するOnline Yomikikase YOMY!と、「死のリデザイン」に取り組むデス・デザインユニットSadamaranai Obakeは、ナナナナ祭2024でコラボレーションしたプログラムを実施しました。コラボして作った絵本「オバケのくに」の読み聞かせセッションと「くももなか」ワークショップを多くの子どもたちに体験してもらった当日の様子を、Online Yomikikase YOMY!の今井が振り返ります。
こんにちは、オンライン読み聞かせYOMY!の今井です。今回のナナナナ祭では、去年に引き続き「紙芝居やさん」….ではなくて天使になってみんなをオバケのくにへ連れていきました!
さだまらないオバケさんとのコラボイベント開催までの軌跡を紹介します!
YOMY!がずっとやりたかったこと。 -いつまでもおばあさんが山へ洗濯へ?
YOMY!はオンライン絵本レッスンの会社です。忙しいお父さんお母さんを持つ子どもたちや海外に住む子どもたちにも最高の時間を過ごしてもらうことも目標に、いつでもどこでも参加できるハーバード式の読み聞かせを中心にしたレッスンを提供しています。(詳しくはこちらのリンクから[https://yomy.kids])
YOMY!のモットーは子どもたちに新しい価値観を届けること。絵本を読むということは、子どもたちにとって冒険に出かけることと同じだと思っています。物語を通じて他の人、他の考え方、他の世界を感じる。絵本で読み学んだ内容が人生の根幹となっている人も多くいるかもしれません。
そんな子どもたちに絶大なインパクトを残す絵本について、YOMY!が気になっていることが一つだけありました。
それは、「価値観のアップデートが行われない」こと。絵本、実は販売中の7割を旧作が占めていると言われています。自分が子どもの時に読んだ本、名作を読んでほしいという親御さんが多いのかもしれません。でも、これは新しい絵本たちがあまり世に出回らないということでもあります。ここである調査をご紹介します。
女の子が主人公の絵本はたったの15%
実は絵本に登場する主人公のほとんどを男の子が占めています。いつまでもおじいさんが主人公で、おばあさんは山へ洗濯に行く絵本ばかりじゃなくても!
https://front-row.jp/_ct/17655084
その他にもジェンダーバイアスや環境問題、そして今回取り上げた「死」など、時代とともに変化していく価値観を反映したオリジナル絵本を作ってみたい!というのがYOMY!がやってみたかったことでした。
そしてその中でも今回は、「死」をテーマにしてみました。
さだまらないオバケと死生観
「死」と聞くと多くの人は暗いイメージだったり、そもそもあまり喋ってはいけないタブーのようなものと捉えるのではないでしょうか。さだまらないオバケさんは、こういった死生観をリデザインして「大切な人との思い出」や逆に「死から生を考える」活動をしているデザインユニットです。
死について考えるのは大人だけ?
ある調査では人間は7歳ごろに「生死」についてはじめて理解するといいます。「死」がタブー視されている現代であえて子どもたちと「死」について考える時間を取ってみたい。
去年100BANCHのメンバーで合宿に行った時にさだまらないオバケの現リーダーである趙(ちょう)さんとそんな話をしたところから、このプロジェクトが始動しました。
価値観を押し付けない絵本
いつも絵本を読んでいて気付いたこと。それは、思った以上に子どもたちは大人の「このこと伝えようとしているな」に敏感なのです。今回の絵本が目指したことはとにかく「楽しく、純粋なエンターテイメント」としても読むことのできる絵本です。
今すぐ響かなくてもいいから、何度も読みたくなる子どもたちのお気に入りの本になる。そして少し大きくなった頃に「こんなお話あったな」と思い出してくれるような絵本を目指しました。
僕たちYOMY!としてもさだまらないオバケさんとしてもイチから絵本を作るのは初めてだったので企画にはいつもYOMY!でお世話になっているタイ在住の絵本作家であるまえだゆうきさんにも入ってもらいました。
まえださんは「エスカレーター」が主人公の絵本を出したり、とっても不思議な雰囲気で子どもたちを楽しませる天才です。 (去年の紙芝居屋さんではまえださんの絵本を読みました。 記事はこちらから(https://100banch.com/magazine/50784/)
僕たちYOMY!チームはどんどんと出来上がっている絵本をぼーっと見ることしかできませんでしたが、その様子は本当にワクワクするものでした。
これが
こうなって
最後はこうなった!
当日の様子
当日は雨の日もありましたが、飛び入りで多くの子どもたちが参加してくれました!
子どもたちは「オバケのくに行き」バスチケットを持って、バス停に集合!絵本を読み、くももなかを作ってもらいました。
子どもたちに毎回「おばけのくにに住んでみたい?」と聞いたら、ほとんどの子どもたちが「まだげんせにいたい!!!」と答えてくれたのがとっても印象的でした。今回の絵本は決して「死」を目指してほしいわけではなく、逆に死についてもっと考えることで今自分が生きていることを見つめ直してほしいというメッセージを込めています。
このイベントでは終わらず、必ずこの絵本を皆さんが手に取ることのできるような形にこれからもしたいと思っています。ぜひ応援よろしくお願いします!
ナナナナ祭を開催してくださった100BANCHの皆さん、ここまでイベント運営を一緒に進めてくださったさだまらないオバケの皆さん、YOMY!のメンバー、まえだゆうきさん、そしてご来場頂いた全ての人に感謝を伝えたいです!本当にありがとうございました。
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